2016年1月2日土曜日

CPU/GPU界隈に振り回された年

2015年は振り返ると、CPU/GPU界隈に振り回される年だった、とまとめるとすっきりするのでまとめてみる。

CPU/GPU界隈が生み出したトレンド


CPU/GPU界隈が生み出したトレンドは、大きくは2つ。一つはAI、もう一つはe-Sportだと個人的には解釈している。Intel, AMD, NVIDIA辺りがARMやQualcomを代表するモバイルコンピューティングに対抗し、ハイエンドCPU/GPUの存在意義を維持するための大戦略としてこの2つを解釈すると、、資金の流れやHypeの根源がなんとなく予想できるのではと思う。

AI


AIは、高性能なコンピューターを活用することで、人間には解析しきれない膨大なデータから何かしらの最適解やパターンを見つけ、物事の自動化を促進するという流れ。
膨大なデータの処理には高性能なCPU/GPUが必要で、生き残ったのはコア数の多いGPUによるコンピューティングだった。別アプローチで量子コンピュータによる演算もGoogleとNASAがドイツの会社と提携して手を出したけれど、GPUと量子コンピューターのどっちが良いかというと、まだGPUの方が使い勝手が良いみたい。FacebookもオープンハードウェアでGPU型のマシンを発表して、AI界隈についてはそろそろ「何で処理するか」の勝敗が落ち着く頃ではないかと思っています。

中身としての処理としてはいたってシンプルで、パラメータの多い重回帰分析をいろいろな切り口でやっているにすぎないと思っている。ナイーブベイズとかも根幹は重回帰の一種だと思っています。技術や算術的な視点からいえばもっと複雑で全然違う!という意見があるかもしれないけれど、その違いを超細かく説明できる人は限られているのではないか。ちょうど、金融におけるクオンツの世界のように、ごく一部の天才たちが仕組みを構築していて、それ以外の人たちはそれぞれが少しずつ間違えた解釈でいろいろな主張をしているような分野であるような気がする。そして、きちんと理解しようとしたころには仕組みのほころびが露呈し始めて、やっぱり使えなかったね、ってなりそうな気がしています。これまでさんざん繰り返された、AIの流行の波の一環として。

そもそも、こういう流れになった理由を予測すると、ゲーム界隈でハイエンドな描画処理が不要になってきたからだと思っています。その流れが顕著になったのがソーシャルゲームが流行りだした2~3年前。3年前くらいはまだコールオブデューティーやバトルフィールドがぎりぎり元気だった気がするので、2年前くらいから顕著にハイエンドGPUがいらなくなってきた気がする。そもそも、もっと前にPS4やXbox oneのGPUがAMDになったことで、そんなに高い演算能力が求められていないというのはわかっていたかもしれない。そんな、GPUがいらなくなってしまうかも、、、という危機感から、新しいGPUの使用用途として、メニーコアを活用できる多変量解析の世界に活路を乱したのではないかと考えています。

ともあれ、Fabookが割と強気でオープンハードウェアを出してきたこともあり、GPU界隈はあと少なくとも2~3年はAIでご飯が食べていけるのではないでしょうか。この流れのままだと、グラフィックボードという名前から、数年後にはAIチップみたいな感じに名前が変わっているかもしれません。ソーシャルゲームやHearth Stoneのようなタイプのゲームが今後増えていくならば、割と本当にグラフィック用途のためのチップという名称はなくなってしまいそうだなーと思います。

e-sports


AIの文脈でCPUは生き残れなかったので、e-sportsで生き残ろうとしている気がしてなりません。IntelがIntel extremeと銘打って、ゲーマー向けにやたらと高クロックなCPUを発売しているのがこの流れ。4.0GHzとか、ゲームが正常に動作しないレベルなんじゃないの?と思います。フレーム同期とかタイミングが合わなくならないのかしら。Alliance of Valiant Armsとか、高クロックでやりすぎると逆にラグくなる印象。

でも、CPUの親玉のIntelさんはお金持ちなので、そんなの気にせずにバンバン広告宣伝をして、e-sports界隈を盛り上げようとしてくれている気がします。そうしないと、モバイルはQualcomやARMSに勝てないし、AIではコア数が少なすぎてGPUに負けて、生き残れないから。

e-Sportsなら、クライアントPC向けのハイエンドCPUだけでなく、ゲームをホスティングするサーバー向けのCPUもバンバン売ることができます。むしろサーバー向けの方が単価が高いのでおいしいはず。ゲーマー人口が増えれば、サーバーがホストしなければならないインスタンスが増えるので、CPUとメモリがどんどん必要になる。ゲーマー人口が増えて、インスタンスが増えればIntelが儲かる。そういうKPI構造なんだと思います。別に、カジュアルゲーマーがノートPCで接続してもいい。エンドユーザー向けのハイエンドCPUは一部のマニアックなゲーマーに売れればいい。本命は、ゲーマー人口の増加によるインスタンスの増加。インスタンスの増加によるサーバー向けCPU需要の増加。これが、Intelさんの生き残り戦略だと思います。

ここまで書いて思ったのは、サーバー向けCPUで生き残るのならば、モバイルゲームでセッションが増えるのも嬉しいことだなーと思いました。PC向けゲームとは別の速さが求められそうだけれど、モバイルゲームのホスティングでも御用になるのはIntelのCPUな気がする。

ということで、とにかくゲーマー人口が増えればいいIntelが、e-sports界隈を潤沢な資金で引っ張っているんだなーという風に見ています。

だから何?


だから何というと難しいのですが、結局のところデジタルゲームは演算機がないと動かないので、その根幹のCPU/GPUの動向を追っかけるとだいたいトレンドが見えてくんじゃないですか?と言いたいのだと思います。

また、ここで書いたことが本当ならば、気になってくるのは、AIでいえば、GPUがコンシューマー向けないしはOEM販売よりも稼ぐことができるのか。e-sportsでいえば、同じくコンシューマー向けないしはOEM販売よりもCPUが売れるのか。これで、実はそんなに数が捌けなくて売れませんでしたーとなると、急に資金の流れがストップして、AIもe-Sportsもしぼんでくる気がする。

AIとe-sportsが真の意味で本格化するには、CPU/GPU界隈以外からの資金流入がないと、持続はきついのではないかなと、そんな風に思うのでした。

 

おまけ


個人的な部分では、2015年にCPUが焼けたせいでマザーボードが破損し、PC総買い替えになったので、プレイベートでも割とCPUに振り回された。